市内の学校の校長先生が富秋中が取り組んでいる授業の様子を見たいということでお越しになりました。
各クラスを見ていただき、『どのクラスもどの子どもたちも、自ら学びに向かっている』と感想を述べられていました。
また、先生方の声のトーンに感銘を受けていました。大きな声で指示や指導するのではなく、個々の子どもに寄り添い、落ち着いたトーンで声かけをしていて、『子どもたちの学びの声がメインで聞こえてくる教室ってすばらしいですね。』とおっしゃっていました。
自由進度学習では、前で先生が一方的に知識を伝達する授業ではないので、一見、子どもが何をしているのか分からないように見えますが、個々の学びをじっくり見ると、それぞれが自ら分からないところを見つけ、教科書やネット、教材やプリント、時には友だちや先生と対話しながら学び取っていく。その方法を自分で選択して試してみて、違ってたら違う方法や別の資料を探すといった試行錯誤する過程がとても重要です。(以下は、過去の画像より)
そして、教員は何もしていないのではなく、個々の学びに応じて、『こうしなさい』というのではなく、子どもが選んだ学びの方法を尊重しつつ、分からなかったり、迷っていたら、『どこまで分かって何が分からないの?』と自分の状況を言語化するように促します。そして、教員はその子どもに応じた支援策を考え、アドバイスをします。決して、解答やと解き方をそのまま教えるのではなく、それを見つけるヒントに自ら気づくような声かけをします。先生からアドバイスを受けるか?友だちに相談するか?、それとも自分でもっと教材や資料と向きあうか?それも自分で選択していきます。
これは、教員にとって一斉授業よりも難易度は格段に上がります。
ブルーム・タキソノミー(教育心理学者ベンジャミン・ブルームさんによる教育目標分類学)改訂版によると、①記憶するから⑥創造するまで、上になるほどより深い学びとなります。
⇑ ⑥創造する…新しいアイデアを生み出す
深 ⑤評価する…納得する 反論する 格付けする
い ④分析する…原因を考える 比べる 分類する 関係づける
学 ③応用する…他のことに当てはめられる
び ②理解する…説明できる まとめる 例を挙げる
⇑ ①記憶する…思い出せる 見ないで言える
これからのミライを生き抜く子どもたちは、より深い学びを経験し、その能力を必要とされます。
今の大人たちがこれまで受けてきたほとんどの授業は、①記憶②理解が中心の授業でした。だから、一夜漬けの勉強や出された宿題や課題をすることが家庭学習のメインで、③応用④分析は少なかったです。まして、⑤評価⑥創造は、これから社会の一員として社会に自ら参画し自分たちの社会やコミュニティを創っていくには必要な力となります。